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「風で織るタオル」 次の60年を、ニューヨークから

 「風で織るタオル」として世界的評価も高い「池内タオル。風力発電100%利用、スイスの安全性調査機関「エコテックス」の最高レベル認定、その年収穫されたコットンの違いを、ワインのように楽しむ「コットン・ヌーボー」の提案と、斬新なアイデアを次々と打ち出してきた。創業60周年の節目に、さらに次の60年を見据えた戦略で世界に打って出る。  「次の社長は、池内の血縁ではありません。ですから、バトンタッチする時に、私の想いをきっちりと伝えなければなりません。これからは池内計司カラーを少しずつ落とし、新しい体制へと引き継いでいきますと新たな一歩の時を読む。

 先代の後を継いだ時には、自社ブランドタオルを販売する考えがなく、海外ブランドのライセンス商品を取り扱うだけだった。しかし、愛媛県と広島県を結ぶ橋「しまなみ海道」の開通をきっかけに、今治市オリジナルのタオルを作ることに。そして生まれたのが「IKE UCHITOWEL,IKTだ。「どうせ作るなら、『赤ちゃんが口にしても大丈夫な、世界で最も安全なタオル』を作ろう」。この想いを最初に受け入れてくれたのがニューヨークだった。2002年のNYホームテキスタイルショーで初出展・初受賞、「世界への扉が一気に開いた。

 今年3月1日には、社名を「IKEUCHI ORGANIC」へと変更、東京都南青山に初のフラッグシップショップを構える。「世界では、シーツメーカーがタオルを作っています。今後はタオル以外のテキスタイルも作っていきます。もちろん100%オーガニックです。また、日本では『オーガニック=赤ちゃんが使うもの』という感覚が強いので、赤ちゃん用品も積極的にやっていきますよという意思表示を、この社名に込めました」。

 先月、ニューヨークで行われた新作発表会では、アーティストの藤田理麻さんとのコラボレーション作品「ハピネス」「フリーダム」の新作を発表。「人と自然が共存することの大切さ」というメッセージを込めたタオルは、多くの来場者に好評を受け、「やっとニューヨークに帰ってきたといった気持ちです。なんだか胸が熱くなりますね」と池内社長は笑顔を見せた。